大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)578 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人加藤菊治郎の上告理由について。

しかし原判決挙示の証拠によれば、本件土地売買契約は、被上告人が自ら買主と

なつて上告人との間にこれを締結したものであるとの原審の事実認定はこれを肯認

することができる。被上告人本人の供述の一部に(例えば所論Dの死亡の点につき)

仮に所論の如く事実に反する供述があるとしても、その一事を以て直にその余の供

述全部を虚偽と認めなければならないわけのものではないから、原判決には所論の

違法があるとは認められない。論旨はひつきよう原審の専権に属する証拠の自由な

取捨判断および自由な事実認定の非難に帰すから採るを得ない。

なお土地の仲介業者が自ら買主となつて土地の売買契約ができるかどうかの点に

ついては、原審において事実上の主張がなされた跡が見えないから、原審がたとえ

これについて何の判断もしなかつたとしても所論の違法があるとはいえない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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